剰余生産物がどれだけあるかを決めるものは、必要生産物で、それが費用にほかなりません。賃金は必要生産物です。人は、自分の生活に必要なものは自分でかせぎださなければなりません。他人に雇われて働くかどうかにかかわりなく、そうです。だから賃金に当たる部分は必要生産物です。そのほか固定資本の減耗分を補充する分、使った原材料・エネルギーなどに支払う分(経済全体から見れば補充する分)も、必要生産物です。賃金は雇主にとっては無償のものですが、雇主の手には入らず、どうしても労働者に渡さなければならない部分だという意味で、雇主にとっても剰余に入らない必要生産物です。さて、そうした必要分を差し引いて残る余り・剰余が利潤のはずですが、それは形式。現実には「剰余こそ必要、必要は余り」という逆転のメカニズムが作用しているのです。つまり、剰余の大きさが先に決められてしまって、その残りが、これで生きていけと渡されるのです。私はこれを剰余先決原理と名づけています。
新聞の株式欄を開いてみましょう。水産、鉱業から鉄鋼、機械、電機、さらに銀行、サービスまで、日本を代表する企業の名前が業種ごとに並んでいます。この分類にしたがって、各産業の市場規模をみると、上位にランクされているのは自動車、機械、電子、化学といったハイテク型の産業です。このうち、自動車産業は多種多様な材料や部品を使う、裾野の広い産業です。部品メーカーを含む出荷額が35兆円を超す日本最大の製造業で、80万人近い人々がこの部門で働いています。世界の自動車生産台数は年間で約4,800万台、日本はその約3割を占める世界最大の自動車生産国です。自動車が発明されたのは19世紀末、日本で国産第1号の蒸気車が走ったのは1904(明治37)年です。90年前に、日本の自動車産業がこれほど発展すると予測した人はいなかったでしょう。
申立企業がDIPファイナンスを受ける際、実務的には監督委員の同意が必要であり、開始決定前であれば監督委員から共益債権としての承認をあわせて取得しておく必要がある。裁判所は現時点において、特に開始決定前のDIPファイナンス(共益債権化、担保設定)については慎重な態度で臨んでいるようである。申立企業が融資資金を食い潰してその後破綻するようなことがあれば、一般債権者への弁済原資が減少して、一般債権者を害することになることを心配してのことである。しかし、資金を食い潰すような事例が決して多いわけではないこと、そのような事態が頻発すれば、他の債権者からレンダーが強い批判を受けることになり、中長期的に見ればビジネスとしてはマイナスとなるため、事実上、慎重な融資姿勢が取られると期待される。裁判所が監督権限等を通じて悪質な業者を排除することは必要だが、再生の可能性(一般債権者を害さない)について、過度に規制する必要はないと思われる。